ポリフェノールって何?

『ポリフェノール』という言葉、一度はどこかで聞いたことありますよね。

ポリフェノールとは、植物の樹脂や種などに含まれる天然成分であり、大豆やきな粉に含まれるイソフラボン·緑茶や抹茶などに含まれるカテキン·ブルーベリーなどに含まれるアントシアンなど様々な種類があります。皆大好き、チョコレートやココアの原料であるカカオ豆にも多く含まれています。

オリーブオイルにもこのポリフェノールが含まれており、味でいうと辛味·苦味·渋みがあり、また『抗酸化作用』という特徴をもっています。この抗酸化作用により日焼けの治癒からコレステロール·血圧の低下、冠状動脈疾患のリスクまで、様々な効果が期待できると数々の研究によって示されてきました。

今回はポリフェノール含有量に影響を及ぼす5つの要因について詳しくお話ししましょう。

① オリーブの品種:

品種によってもポリフェノールの含有量は異なります。たとえば、コロネイキ種はポリフェノール含有量が非常に高いですが、アルベキーナ種のポリフェノール含有量はそれほど高くありません。また、一般的にフラントイオ種の場合は中~高、レッチーノ種では中程度との含有量となります。

② 果実を摘むタイミング:

手でオリーブ果実を摘む生産者もいれば、機械を使用している生産者もいますが、いずれにせよ、このタイミングもポリフェノール含有量に影響してきます。

緑のオリーブ(熟していない)から作られたオイルは、紫のオリーブ(熟した)から作られたオイルより、より多くのポリフェノールを含んでいます。ポリフェノール濃度は、オリーブが緑色から紫色に変わり始めるまで増加し続け、その後、熟すのとともに徐々に減少し始めます。

③ 環境要因:

高度や栽培方法、灌漑に費やされた水量もすべてポリフェノール含有量に影響します。

④ 抽出条件:

オリーブ果実を粉砕、ペースト状にしたものを加熱したり、水を加えたり、練り込み時間を増やしたりするなど、収量を高めるために行われる過程は、結果的にポリフェノールが失われてしまうため絶妙な時間とバランスが重要となります。

⑤ 保管条件:

コンテナの種類やその大きさもオイルのポリフェノール含有量に影響を及ぼします。貯蔵タンクやボトル内に、オイルがあまりに長い間保管されたままの状態ではポリフェノールはゆっくりですが酸化されてしまいます。

涼しい場所でステンレス鋼の容器、または黒い遮光ボトルで保存されたオイルに保存する必要があります。透明のボトルに入れられたオイルは論外です。黒い遮光瓶や遮光ボトルで保存することにより酸化からオイルを守り、品質の良い風味を保つことができるのです。

『エキストラバージン』とラベルに表示されているオイルのほとんどは、店頭に商品として並べられる前に高速で安価な化学分析テストを受けてはいますが、多くは正確で性能の良い高価な官能テストは受けていません。

このことが意味することは何でしょう?

-----『エクストラバージンオリーブオイル』のカテゴリーには幅広い品質のオイルが数多く市場に出回っているだけでなく、そもそも『エクストラバージン』と表示されるべきではないオイルが多く存在することを意味するのです。

たとえば、一部の生産者はオリーブの木を剪定し、すべての枝の同じ部分に太陽光と酸素が効率的に行き届くように工夫します。これにより、その木からの果実の量は減少しますが、オイルの品質は確かなものになります。

また、オリーブ果実は木から摘まれた瞬間から急速に酸化および分解し始めます。もしも23日、または数週間もの間、果実が地面などに放置されたままになると、結果的にオイルの風味はとんでもないことになります。私たちはこのような欠陥オイルを “The Oil Really Suffers!”(オイルが苦しんでいる)と表現しています。

一般的に大規模な生産を行なっているところでは、機械で収穫を行なっているため、迅速にオイルをボトリングまで行うことが可能です。

しかし、残念ながら実際にはその工場の生産能力をはるかに超えてしまっており、品質低下を招いてしまうという事態になることもあるのです。

 また、オリーブ果実は巨大な山のように積むと分解が速まり、これも結果的にオイルに欠陥が生じてしまいます。

では、欠陥風味を生じさせないためにはどうすれば良いのでしょうか?

それは収穫から粉砕までの時間を短縮することです。可能な限り短時間でボトリングまで行うことで、オイルの官能特性を保ち、欠陥をゼロにすることができるのです。

そして、これには経験豊富なスタッフ、機械、トラックなど効率的である程度費用のかかるシステムも必要不可欠となります。

また、品質と量のバランスをとることも重要です。高温で処理すればオイルの量は増加しますが、栄養価、香り、風味を失うことになってしまいます。また、オリーブ果実が粉砕·混合プロセスに長く留まるほど、抽出されるジュースは多くなりますが、過剰な摩擦によりオリーブオイルが加熱されてしまい、欠陥が生じる可能性もあるのです。

ポリフェノールを多く含む『プレミアム製品』を製造する場合、品質は量よりも優先され、コストもかかります。

あまりにも安価なオリーブオイルは、その年の化学分析結果はもちろん、収穫時期やボトルのタイプは遮光かどうか、なども注意してみるべきでしょう。

 

Article:TK Mary